今年から立入検査で見る無資格のX線照射。うちでは誰が押しているか

公開 2026.08.14

対応が必要です。

対象は 血管撮影・IVR・一般撮影。ほかの部署は、押しているのが医師と技師だけなら、そのままで大丈夫です。

主任・技師長は、監督する側の責任として名指しされています。

公開時点の情報です

なにが変わった

今年度から、国が都道府県に出す立入検査の通知に「無資格の人がX線を出していないか指導する」が入りました。去年の同じ通知には、一行も書かれていません。ただし検査表に新しい欄ができたわけではなく、検査に行く人が見ておく留意事項のほうです。

なにをすればいい

免許を持っている人が押しているなら、慌てることはありません。やることがあるとしたら一つで、うちで曝射ボタンを押しているのが本当に医師と技師だけか、一度見てみること。手術室とポータブルが、穴になりやすいところです。ただし見張る係になる必要はありません。監督する責任は管理者の側にあると書かれています。

知っているとどうなる

この話には前があります。去年、メーカーの営業の方が手術中にX線を出していたという報道があって、そこから来ています。経緯を知っていると、検査で聞かれたときに「なぜこれを聞かれるのか」が分かります。

同じ場面の中に、越え方の違う線が2本あります
いま見ているもの
ポータブル撮影や手術室で、実際にやっていること
装置を運ぶ・据え付ける
点検する・調整する
ファントムで試し撮りをする
患者さんに曝射する

装置のそばでは、この4つが起きています。ここまでは、誰がやるかの話ではありません。

1 / 4
ここは、まだ分かっていません

技師が施設にいない時間帯のことです。夜間や休日に技師が常駐していない施設で、その間の照射を誰がどう扱うのが正しいのか。今回の通知も事務連絡も、そこには触れていません。押していい人が限られているという原則だけがあって、いないときの答えは書かれていない状態です。 照射ではないけれど、患者さんに触る行為のほうも分かりません。体を支える、板を差し込む、といったところ。これは技師法ではなく保健師助産師看護師法(診療の補助)の話になって、事務連絡もその法律を並べてはいるものの、どこからが診療の補助なのかの線は引いていません。 立ち会いの確認書を病院側がどこまで持っている必要があるのかも、まだです。取り決めのほうを読むと、原本を5年保管するのはメーカー側で、病院は渡す側になっています。立入検査の通知は「写し等について確認した上で」と書いていますが、病院に写しを残す義務があるとまでは書かれていません。実際の検査でどこまで踏み込まれるかも、立入検査をやるのは都道府県なので地域差が出そうです。分かったら、この記事を更新します。

田爪

人が少なくて、決まった人だけで回している古い病院。ああいうところだと、技師に限らず、ほかのコメディカルでも、似たようなことは今でもあるんじゃないかと思います。——法律の上でははっきりアウトな話なので、見たと書くことはできません。正直あると思う、というだけです。

悪気があってやっているわけではないと思うんです。そのほうが効率よく回るからで、人がいない中での判断としては、たぶん合っている。

ただ、何か起きたときには、責任の話として全部そこに戻ってきます。それはほぼ確定していて、でも今すぐ困っているわけでもない。

そこまで分かっていて、じゃあどうするのかと言われると、なんとも言えないですが。

・ 元・診療放射線技師 → 医療系ソフトウェア開発
書き手について →
ほかの記事